Rails 8.1 + PostgreSQL 18 で UUIDv7 を使おう
メリーーーーーーーーーーーまだだね、こんにちはkinoppydです。
この記事は SmartHR Advent Calendar 2025 の1日目です
UUID好きですか? 僕は好きです。いろいろと難点はあるものの、サクッと重複無しのIdentifierを生成できること一点張りで好きです。Rubyだとこんだけ手軽にUUID出せます。
require 'securerandom'
SecureRandom.uuid # => "afea036e-3242-42a0-ae91-c0ffcc58a277"
便利。
RubyWorld Conference 2025で登壇してきた
RWC2025で、willnetさんと一緒に登壇してきました。マジで時間が無くて、参加ブログが2週間過ぎてからで本当に時間が無い。
登壇の内容は、SmartHR社で僕が開催したメタプロRuby読書勉強会と、その後willnetさんが改良を続けてくれた成果物に関して話した。何年も前に作った奴ではあるけど、willnetさんが継続的に改善をしてくれていて本当にありがたい。
島根はじめまして
RWC、ずっと前から存在は知りつつも行くのは今回が初めて。なぜかというと、島根は遠い。毎年、RubyKaigiと他にいくつか地方Ruby会議に行くと、既に心の外出ポイントを使い果たしてしまってなかなか足が向かなかった。そしてRWCはわりとビジネス色が強いというか、いわゆるRubyKaigiやKaigi on Railsのようなギーク的なお祭りとはまた少し違うと聞いていたのも、理由の一つだった。今年参加を決めたのは、willnetさんが「以前から一緒にやっていたメタプロRubyの教材についてプロポーザル送るんですけど、通ったら話しますか?」と誘ってくれたため。本当にありがとうございます。
今回は米子空港からバスで松江まで移動したけど、まあ遠いね! 帰るときに気づいたけど、通称べた踏み坂というレンズの圧縮効果のせいでとんでもねえ急勾配に見える江島大橋を通ったことに「おおっ」と思った。何となくバスから見てるだけで気づく異様な姿だったことに感激した。
なんか多分だけど、たまにネットで見る傾斜がヤバすぎるように見える写真が撮れる橋を渡っている気がする
— kinoppyd (@GhostBrain) November 8, 2025
松江駅に着くと、いきなり松江オープンソースラボというのがあって、Rubyのロゴが描いてあることにグッときた。会期を通して感じていたが、いやぁここは本当にRubyの街なんだなぁというのを最初に実感した瞬間だった。駅前にこんなものがあると感動しちゃうよね。カンファレンスの最初の挨拶とか、初日のパーティーとかを見ると、松江の街はかなりRuby推しということがわかる。素敵だ。
バスがここに停まるの味がある #rubyworld pic.twitter.com/z3W7N5Wdgk
— kinoppyd (@GhostBrain) November 6, 2025
RubyKaigiとかで全国を回るとき、行ったことの無い都道府県では地元のスーパーとかを巡るのが好きなんだけど、島根というか松江にはスーパーが全然無くてビックリした。なんかちょっと離れたところにデカいイオンの看板が見えるだけ。みんなどうやって生活してるんだ? と思った。周囲の人に聞いてみると「車社会だから」という風な返事を皆していて、なるほどこういう街で免許を返納すると大変なことになるんだなと思った。
RWC
聞いていた噂に違わず、確かに他のRuby系のイベントはだいぶ雰囲気が違うなぁと思った。ただべつにそれが悪いというわけではなく、こういうイベントもいいなという意味で雰囲気が違った。まず行政の長が開会式に出てくる。ビックリする。前列の関係者席も初日の最初の時間はみんなスーツ。ビックリする。一日目の午後からはスーツの人の姿はあんまり見なくなったけど、まあでも相変わらずちゃんとした空気はある。
RWCはそれ単体だけではなく、Ruby Biz グランプリやRuby Prize などの表彰や、Ruby Weekのような概念的なイベントも同時に開催される、ある意味Ruby関連のお祭りだった。RWCの会期中だけではなく、その前後にもたくさんイベントがあり、松江がRubyで盛り上がるイベントであることがよくわかる。ちなみにBizグランプリもPrizeも自分は予想を外したのでなるほどという感じだ。
うお、の場所 #rubyworld pic.twitter.com/NtxxclEQlb
— kinoppyd (@GhostBrain) November 6, 2025
協賛ブースにも、他のイベントではあまり見ないというか、地元の企業系の協賛が多くてすごく良いなと思った。ただ今年はそもそも協賛が少なかったらしくて、イベントのクオリティを下げてお送りしていますと実行委員会側も説明していたので、来年はもっと盛り上がってくれることを願っている。
今日イチおもしろい #rubyworld
— kinoppyd (@GhostBrain) November 7, 2025
カンファレンスそのものというか登壇してる人たちは、割とまぁいつものメンバーだなぁと言う人も多いけど、その一方で、普段あまり見ないような企業から出している人もちらほら見られた。中にはRubyを使った話だけではなくて、ビジネス(のロジック)の話とかも結構していて、この辺が普段のイベントとは少し違う特色だなぁと思った。あと、なぜか、PicoRubyWorld Conferenceだと主張してる人たちもいて、いいねとなる。ただよくよく考えたら、自分もその一味側ではあった。Lチカは情操教育。RWCは、Rubyの話であり、Rubyを使ったビジネスの話でもあるので、珍しくRubyそのものの話とRailsやその他のRuby周辺界隈の話が同居できる面白い場だなと感じた。
Rubyの話……? #rubyworld
— kinoppyd (@GhostBrain) November 6, 2025
さかや
Day1が終わった頃、何やら不思議な話が耳に入ってくる。曰く、さかやに行けと。さかや? 酒屋のことだろうか? なんで? と思いながらも何のことなのかよく分からず町を歩いていると、えもりさんに遭遇した。曰く、さかやに行くらしい。へー、有名なんですね、どんな酒屋なんですか? と聞いてもイマイチ要領を得ないので、とりあえずついて行って見てみようと思った。えもりさんもちらっと寄るだけですと言っていたので、買い物なんだろうかとかのんきに思っていた。
さかやの正体は、「佐香や」という名の居酒屋だった。どうやら有名なお店らしいが、酒匠のいる日本で一番熱燗が美味しいという触れ込みは松田さんが流布したもので、それを聞いたRubyistが大挙して押し寄せるという非常に治安がアレな場所だった。佐香やに着いた瞬間、あこれは終わったわと思った。詰め込まれている、Rubyistが。というか、入りきらなくて路上に押し出されて路上で飲んでいる。これは大変治安がよくない。そんなところに捕まったらそれはもう終わるに決まっている。僕は終わった。でも翌日が登壇の日だったので強い意志で絡みつく酒の誘惑を振り切って、夜中の0時に宿へと逃げ帰った。
さかやがなんなのか理解できました #rubyworld
— kinoppyd (@GhostBrain) November 6, 2025
私は翌日も佐香やにいた。はすみさんがノドグロ食うなら来いと言っていたし、森塚さんも誘ってくれた。行かない理由は無かった。完全に優勝した。ノドグロを堪能し、酒をたらふくかっくらい、なんか増田の話とかをしながら、打てる分だけの舌鼓を打ちまくった。実のところ、自分は熱燗の酒はそんなに好きじゃない。なんかこう、むわっとしたアルコールの蒸気が苦手だからだ。なので、僕はブチ切れるモリスさんとジョーカーさんを脇目に冷酒を注文した。比較したい気持ちもあった。不思議なことに、熱燗にした方が美味しかった。松田さんは正しかったのだ。これはどういうことだ?
なんかパッケージマネージャーがどうの増田がどうのでクソデカ羅生門という記憶しかない
— kinoppyd (@GhostBrain) November 8, 2025
店主さんともカンター越しに何度か言葉を交わしたが、気さくで素敵な人だった。この人が謎の酒飲み団体に2日間、いや前日も含め3日間店を占拠され、挙げ句の果てに関係者としてRWCに連れてこられている様子を見て、Rubyistはなんて治安が悪いんだと思い、不憫に感じた。来年の12月にもまた、僕はあの佐香やで大騒ぎをしながら酒を飲み料理に舌鼓をうち、俺が、俺自身が治安なんだ、という気持ちになりたいと、そう決心した。
Kaigi on Rails 2025 に参加してきたよ
Kaigi on Rails 2025に参加してきた
まず最初に、早押しボタンの話は別のブログでちゃんと書きます。こちらは私の参加記です。
参加してきました。例年は全部の時間にセッションの予定を詰め込んで丸二日間インプットの日だったんですが、今年はブース担当になったというのもありセッション半分ブース半分くらいの比重で参加していました。昼休みもほとんどブースに居たので、友達に挨拶する時間が減ってしまったのがやや心残りでした。
Kaigi on Rails 2025のプロポーザルが不採択だったので公開します
Kaigi on Rails 2025には3本のプロポーザルを提出しましたが、全て不採用だったので公開します。誰かの参考になると嬉しいです。
PicoRuby Overflow会議 に参加してきた
大阪や!(3週間ぶり)
関西Ruby会議08の熱も冷めやらぬまま、再び大阪に来た。正確に言うと関西Ruby会議は京都だったので3週間ぶりでは無いのだが、まあ関西だし似たようなモノだろう。石を投げないでください。僕は子供の頃、大阪と京都の県境を反復横跳びできるようなところにいたことがあるので仕方ないのだ。
関西Ruby会議08に送ったCFPは全てRejectされたものの、PicoRubyを使って子供のオモチャをつくろうという方のプロポーザルはOverflow会議に再度応募して欲しいという連絡が来て、送ったらショウケースセッションとして通ったので展示してきた。行きの新幹線でポスターを必死こいてつくってたのに、駅に着いたら印刷する方法が無くてコンビニでA4印刷したモノを机に置くことになった。
関西Ruby会議08、Rubyで作る物語
京都に行ってきました。関西Ruby会議08です。
Rubyと作ろう
関西Ruby会議08のテーマは、「Rubyと作ろう」でした。これを見て、僕は普通にRubyのコードを書いたり、プロダクトを作ることだと思っていました。だけど、当日に会場に居て、一つ一つのトークを聞いて、最後に締めの挨拶を聞いたときに、なるほどRubyはこの場の全てを作ったんだとしみじみ感じました。関西Ruby会議08そのものが、RubyとRubyが好きな人たちと、Rubyのコミュニティの力で作られていました。CFPにプロポーザルを出したときは深く考えていませんでしたが、当日はRubyがこの場を作ったのだという、壮大な物語の中に居ました。
関西Ruby会議08のプロポーザル落ちたので公開します
関西Ruby会議08のプロポーザルを2本送ったのですが、力及ばず採択されなかったため公開します。
今回は2本送ったのですが、1本はもう少しブラッシュアップして、またそのうちどこか違うイベントに送って再利用しようと思います。
1本目
Title (Publicly viewable title. Ideally catchy, interesting, essence of the talk. Limited to 60 characters.)
Solid State Society
Session format (Fixed at 20 minutes.)
Abstract (A concise, engaging description for the public program. Limited to 600 characters.)
Rails 8 では、rails new をしたときにSolidQueue、SolidCache、SolidCableという3つのgemが標準で有効化されるようになりました。これらSolidの名を冠するGemは、それぞれActiveJob、ActiveSupport::Cache、ActionCableのバックエンドにデータベースを使用します。このデータベースはSSD上で動作していることが期待され、Solidという名前の由来もSSDからきています。また、Rails 8 からはProduction環境でのSQLite利用が推進されています。そしてこのSQLiteとSolid gemsのシナジーが、Railsの生産性をさらに加速させてくれます。このトークでは、SolidとSQLiteを使用することで、0->1開発の景色がどれだけ変わるかを皆さんにお伝えしたいと思います。
Details (Provide an overview, expected outcomes, target audience, and any other relevant details.)
SolidQueue、SolidCache、SolidCableだけではなく、ActiveRecord::SessionStore、ActiveStorageDBを使い完全にSolidなRailsアプリケーションを開発体験をお伝えしたいと思います。 Railsはかなり容易に0->1ができるフレームワークですが、一方でRails 7 までは本番環境の構築にはRailsが動く実行環境に加え、PosrgreSQL/MySQLとRedisがほぼ必須のミドルウェアとして要求されていました。しかし、Rails 8の登場で本番環境でのSQLiteが推奨され、さらにSolid gemsが標準化されたことで、本番環境にRailsが動く実行環境以外のミドルウェアは基本的に必要なくなりました。このトークでは、さらにSessionStoreとActiveStorageもDB化することによって、真にSQLite以外を必要としないRailsの開発体験の話をします。本番環境でのインフラ構築に悩まないことが、どれだけ開発におけるマインドシェアを奪われず開発に集中することができるかを伝えたいと思います。 また、SQLiteを使うことによって生じるデプロイの難しさや、環境の制約についてもお話しします。特にクラウド環境でSQLiteを使う場合、複数のインスタンスにDBファイルが存在することは基本的にできず、取り回しが非常に難しいです。なるべくサーバレスサービスを使わず、同じくRails 8 で標準化したデプロイツールであるkamalを使うことが現状ではベストプラクティスになるという結論です。 このトークの対象者は、まだRails 8でrails newをしたことがない人たちです。新しいプロダクトを思いついたとき、難しいインフラ構成を考慮せず最速で本番環境まで持って行ける体験の良さを、まだSolidを使ったことが無い多くの人に伝えたいです。
このトークは、次のテックブログにて書かれているRubyKaigiのスケジュールアプリ構築の話をベースとします。 https://tech.smarthr.jp/entry/2025/04/17/185354
Pitch (Explain why your proposal should be accepted and why you are the right person to speak on this topic.)
Rails 8 は、DHHが言うとおり0->1からIPOまでを全てこなせるフレームワークです。その真の実力を少しでも伝えることで、聴講者の中から起業とIPOを目指そうと思う人が出るかも知れない、つまりRubyで会社を作ろうと思ってくれるかもしれない可能性があることが、このトークを採択すべき理由です。私は実際に数百人が利用するRubyKaigiのスケジュールアプリを完全にSQLiteだけで運用した実績があり、その良さと悪さは十分に知っています。ゆえに私だからできるトークであり、私が公演するにふさわしい理由です。
Your Name (A publicly visible name or ID.)
kinoppyd
Speaker Bio (A short introduction about yourself, related to your talk. **Limited to 500 characters.**)
A Ruby programmer work at SmartHR Ltd, Inc.
2本目
Title (Publicly viewable title. Ideally catchy, interesting, essence of the talk. Limited to 60 characters.)
Rubyでつくって子供と遊ぼう
Session format (Fixed at 20 minutes.)
Abstract (A concise, engaging description for the public program. Limited to 600 characters.)
Raspberry Pi Pico と PicoRubyを使って電子工作すると、オモチャが作れるらしいんですよ。つまりそのオモチャを使って遊んでいる子供は、もはやRubyistと言っても過言ではないですよね? 自分の子供をエリートRubyistにするために、PicoRubyでオモチャを作ってみよう。
Details (Provide an overview, expected outcomes, target audience, and any other relevant details.)
マジな話、作る予定はあるんですが今のところ全く何もできてないんですよ。たとえば光るスイッチを一杯つけたり、音を鳴らしたり、そういう子供が好きなことができるはずなんです、PicoRubyを使えば。だってほぼ同じ要件のキーボードができるんだから。 GWを利用して子供にPicoRubyでオモチャを作ってあげる実験をしようと思っています。アイディアとしては、7セグ電卓やフィンガードラムなんかは作れそうだなと思いつつ、そこにRubyらしさをどう混ぜていくかを工夫することになると思います。その成果物に関して話すことになりますが、これを書いている今のところ何の成果物もないので、当日のお楽しみになります。
Pitch (Explain why your proposal should be accepted and why you are the right person to speak on this topic.)
もしまかりまちがってこれが採択された場合、締め切り駆動開発で苦しむ私を見ることができます。
Your Name (A publicly visible name or ID.)
kinoppyd
Speaker Bio (A short introduction about yourself, related to your talk. **Limited to 500 characters.**)
A Ruby programmer work at SmartHR Ltd, Inc.
RubyKaigi2025の帰り道
今年も浴びた。RubyKaigiを。来年も浴びたい。これは帰りの飛行機を待つ空港で書いているので、完全に内容がとりとめないし、散文的だ。
前提
RubyKaigi is 最高の Event of the World.
2025
今年のRubyKaigiは、思っていたよりも特定の話題に対するフォーカスが少なかった。2024はパーサー、2023はJIT、2022はRBSみたいな、なんかその年のぼんやりと見えてくる「みんなこの話してる」ってのがあまりなく、広くいろんな物事を吸収できた年であった気がする。とはいえ、パーサーの話もJITの話もRBSの話もそこそこたくさんあったので、目立つトピックが飽和してきただけかも知れない。わりと大きな関心事であるNamespaceも、実質一人開発なので1トラックで終わってしまうし。
代わりにというほどかどうかはわからないけど、今年は音とゲームがものすごく目立っていた気がする。いろんな音が世の中にはある。それはそう。様々なゲームが世の中にはある。それもそう。だから音とゲームは我々を引きつけてやまないのだ。来年はもっと音だしてこ。
C?
今年はCレイヤーAPIの話が何となく多かった気がする。気がするだけかも知れないけど、プロファイラ文脈やC ext文脈、あとはand worldのC API 作り直したい話とか、色々あった気がする。とはいえ、RubyKaigiはCの話をするところなので、Cの話は元々多い。どちらかというと、Rubyの実行環境の世界からCに触る話が多かったという印象かもしれない。
サチュレーション?
改めて今年のセッション一覧を見渡すと、やっぱりパーサー、RBS、JIT、WASMの話が多くて、それぞれを合わせると全体の約半分ほどを占めている気がする。これは話題の中心が増えすぎてサチったのだろうか? と思わなくもない。あとはプロファイラ、GC、JRuby、mrubyやPicoRubyの話がラインナップとしては多いような気がする。
JRuby、そういえばJRubyの話を全然聞いていなかった。一つくらい聞けば良かったと思った。いや、でもパーサーもRBSもJITもWASMも全部気になるんだよなぁ……体を三分割したい。いや、3倍に増えたい。
キーノート
キーノートは全部素晴らしかった。文字コード、だいたいまあ死んだ顔で何がつらいのかを語る人が多いけど、ima1zumiさんは楽しそうだった。すごく良い。文字とか時間とか、人間の営みとともに変化してきた伝統あるブツの話は基本的に聞いていて楽しい。Low-Level APIを使ってRubyのオブザーバビリティを高めるIvo さんの話もすごく良かった。朝イチであの圧倒的物量の英語にはちょっとビビったが、それでもわくわくする話だった。今日の朝に大街道ですれ違ったので「hi!」って言いながら手を振って挨拶した。よく考えたらDay2の感想でも伝えれば良かった気もするが、荷物が重くて元気が出なかった。Matzは手を替え品を変え毎年同じような話をしているが、4.0の話はブチ上がる。奈落からせり上がってくるMatzも最高だった。
音とゲーム
音はやはりアツいと思う。ゲームもアツい。
音、良いんですよね。MusicMixinもそうだけど、やはり音楽は人を興奮させる。Rubyで音が出るなら自分もやってみたいけど、作曲に対する造詣がないので今年はそっちを鍛えた方が良さそうな気がする。
コンソールで動くゲームもすごく良いですよね。自分が子供の頃のパソコンのゲームは既にAge of Empireとかだったので、もっとこういう文化もくらっていきたい。
心配事
嬉しいことにここ2年で子供が二人産まれたが、まだ二人とも本当に小さく、妻一人に子供二人を預けたまま四日間も家を離れることはとても心苦しい。実際に僕がいない間、妻はとても苦労している。妻に苦労を掛けていることを気にしてしまって、どこか全力で楽しめないので良くない気持ちのループになる。託児サービスを利用するのも考えたが、家には猫が居るので四日間も家を空けられない。子供がもう少し大きくなるまでは、毎年この時期はこの悩みに苛まされそうである。珍しく人生をやっている。
Rails8の認証機能と、俺たちのアイデンティティ
かかってこいよ、クリスマス。そうです、私がkinoppydです。
この記事は、SmartHR Advent Calendar 2024 Day1 のエントリーです
Rails8の認証機能
Rails8では、新たにユーザーの認証機能のジェネレーターが追加されています。これは何かというと、これまで多くのユーザーがdeviseやrodauthというGemを使って実現してきたユーザーの認証機能を、Railsの標準機能として生成できるものです。とはいっても、もちろんdeviseやrodauthのようにユーザーの認証に関わる広く高度な機能を提供するわけではありません。提供されるのはユーザー名とパスワードの組み合わせでログインセッションを作成するための一通りの機能のみです。例えば、MFAであったり、データの認可機能、テストヘルパーの提供などはありません。なんなら、ユーザーを新たにサインアップする機能すらありません。デフォルトのままでは、データベースにコンソールから直接ユーザー登録が必要です。
Kaigi on Rails 2024 の感想がようやく書ける
Kaigi on Rails 2024に参加してきました。諸々あってブログを書けるようになるまでめちゃくちゃ時間がかかってしまった。マジで何もできなくなることが世の中にはある。
Kaigi on Rails 2024 と哲学
光の道、導きの星が今年のテーマだった。気がする。それはつまりRails wayと呼ばれるモノでああり、結果として生まれてくるのが概念圧縮であったりThe One Person Frameworkと呼ばれるモノであったりする。
Railsを使っていると、誰もが迷う。0 to 1は特に迷わない。1 to IPOの時に、多くの迷いが生まれてくる。その多くの迷いに立ち向かうための話が、二つの基調講演で違う角度から語られていた。ひとつは、Railsが提供してくれるレールを尊重すること。アプリケーションを拡張したいときは、Railsの流儀を身に着け、自らのコードに応用していくということ。もうひとつは、オプションを手に入れること。常にアプリケーションをシンプルに保ち、変化に追従できるようになっておくこと。これらを光の道、導きの星として解説したのが2024のキーノートであり、深く感銘を受けたポイントだった。そしてRails自身も、メジャーバージョン8を迎えており、自らRails wayの大切さと、変化と柔軟さを体現していると言える。もちろん、ユーザーとしてそれに追従するのはまあ大変なのだけど。
Rails wayという言葉と自分がどこで出会ったのかは覚えていないが、元の本を読んでいないのでおそらく誰かから聞いた話だと思う。人には人のRails way、とまでは言わないが、俺の考えた最強のRailsが世の中にはそれなりに転がっている気がする。なんなら、Railsを書いていない人でさえも俺の考える最強のRailsを持ってインターネットに殴り込みをかけている気すらする。間違った導きの星は、人を迷わせる。だからこそ、ここ数年のRailsは様々な方法で正しい光の道が見えるように誘導しているようにも思えた。Hotwireの導入や、Omakaseの概念、Onceのコード公開、他にも色々。また、今回のセッションの中でも、モデルの育て方、データマイグレーションの標準への疑問など、様々なRails wayへの問いかけがあった。光の道、導きの星は宗教っぽいアンセムでなんか怖いなぁと思いつつも、人々が集まり哲学への問いかけを続けるZENとしてカンファレンス、それがKaigi on Railsだなと実感した。まあお前ら、Rails Guide何度も読み返せってことだ。Rails8ではRails Guideも強くなってるしな。
特に心に食らったセッションの感想
当日直接聞いたセッションと、残念ながら当日聞くことができず後日スライドを見たものがある。
Identifying User Identity
今回一番心に食らったのがこのセッションで、勇気と感動をもらった。 Userテーブルには何も情報を載せず関連テーブルで表現するというスタイル、自分もうっすらとメリットを感じていて個人開発のプロダクトではずっと続けていたのだけど、本当にそのうっすらとした感覚が正しいのかどうかの確信がいまいち持てず(なんせ個人開発なので、あまり派手な問題というモノに遭遇しない)、うまく言語化ができていなかった。そんなところにこのセッションをぶちこまれたので、ああ自分が思っていたうっすらとした感覚の正体はこれだったのかと変に感極まってしまったので一番食らったセッションになった。IdentityとIdentifyされたユーザーの情報は別で成立するんだ、というのがスッと入ってきて、なんだか嬉しい気持ちになった。スライドの中には書かれていなかったけど、Identityとユーザー情報を分割するメリットとして、ペルソナやの切り替えや認証情報の切り替えの実装が楽だというのも自分がうっすらと感じていたメリットで、その考えがさらに補強されるようで励まされた様な気持ちにもなった。 また、最後のユーザーの状態をstatus列無しでリレーションで表現できる、という考え方が凄くクールで、完全に食らってしまった。最高。ベストセッション。
Data Migration on Rails
このセッションが好きな理由は、光の道、導きの星が存在していない領域の話だったから。スキーマのマイグレーションでは無く、データのマイグレーション、もっと一般化すればワンタイムのスクリプトをどのように管理するかという手段をRailsは提供していない。もちろんDHHのお気持ち的なモノはあるみたいだけど、Railsの実装としてそれが示されておらず、Rails guideでも扱われていない。つまり、光の道、導きの星がないものを我々はどう扱えばいいのか、という話だった。実際のところ、多くの話題は光の道、導きの星が無いという話なんだけど、これだけ多くの人が同じ事をやっているにも関わらず、光の道が無いというのはなかなか奇妙な気がしたので、特に気になった。リアルワールドでは同じ目的で山のような数のGemがあり、Gemだけでは無くMakefileやShellスクリプトまで多岐にわたる様々な道しるべが用いられている。黄金律の修復が待たれる。王になれ。
Railsの仕組みを理解してモデルを上手に育てる
このセッションは当日聴いておらず、後日に資料を見て「うわっ、なんて素晴らしいんだ……」と思ったやつ。Railsをやっていると必ず迷う「複雑なフォーム」という問題に対して、光の道を示すためのガイド。Railsをやる人は、みんなこのスライドを胸に刻んでやると良いと思う。フォームオブジェクトの扱い方に関して、ここまできちんとわかりやすく言語化してまとめ上げた資料ってあまり見た覚えがないので、今後のRailsに参加する人たちは必読になると思う。本当に良いスライド。
推し活の ハイトラフィックに立ち向かう Railsとアーキテクチャ
これは完全に感情の問題なんですけど、ハイトラフィックの厳しい環境で手を替え品を替え戦い抜く話、聴いててビリビリするんですよね。勇気が沸いてくる。UPDATE SKIP LOCKEDすごいね。そんなセッションでした。
推し活としてのrails new
これも当日聴いてないんですが、良いんですよスライドが。開発者としての喜びとは本当にこういうモノだな、ものづくりの楽しさってこれだな、って感じられる話本当に大好きなんですよ。自分が作ったモノが誰かに使われて喜ばれるっていう、プリミティブな感情を味わいたいんですよ!!!! 最高!!!
まとめ
Kaigi on Rails、ホンマに良いカンファレンスやなぁ……来年こそCFP通すぞ。