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RubyWorld Conference 2025で登壇してきた

posted at 2025-11-25 01:05:00 +0900 by kinoppyd

RWC2025で、willnetさんと一緒に登壇してきました。マジで時間が無くて、参加ブログが2週間過ぎてからで本当に時間が無い。

登壇の内容は、SmartHR社で僕が開催したメタプロRuby読書勉強会と、その後willnetさんが改良を続けてくれた成果物に関して話した。何年も前に作った奴ではあるけど、willnetさんが継続的に改善をしてくれていて本当にありがたい。

島根はじめまして

RWC、ずっと前から存在は知りつつも行くのは今回が初めて。なぜかというと、島根は遠い。毎年、RubyKaigiと他にいくつか地方Ruby会議に行くと、既に心の外出ポイントを使い果たしてしまってなかなか足が向かなかった。そしてRWCはわりとビジネス色が強いというか、いわゆるRubyKaigiやKaigi on Railsのようなギーク的なお祭りとはまた少し違うと聞いていたのも、理由の一つだった。今年参加を決めたのは、willnetさんが「以前から一緒にやっていたメタプロRubyの教材についてプロポーザル送るんですけど、通ったら話しますか?」と誘ってくれたため。本当にありがとうございます。

今回は米子空港からバスで松江まで移動したけど、まあ遠いね! 帰るときに気づいたけど、通称べた踏み坂というレンズの圧縮効果のせいでとんでもねえ急勾配に見える江島大橋を通ったことに「おおっ」と思った。何となくバスから見てるだけで気づく異様な姿だったことに感激した。

なんか多分だけど、たまにネットで見る傾斜がヤバすぎるように見える写真が撮れる橋を渡っている気がする

— kinoppyd (@GhostBrain) November 8, 2025

松江駅に着くと、いきなり松江オープンソースラボというのがあって、Rubyのロゴが描いてあることにグッときた。会期を通して感じていたが、いやぁここは本当にRubyの街なんだなぁというのを最初に実感した瞬間だった。駅前にこんなものがあると感動しちゃうよね。カンファレンスの最初の挨拶とか、初日のパーティーとかを見ると、松江の街はかなりRuby推しということがわかる。素敵だ。

バスがここに停まるの味がある #rubyworld pic.twitter.com/z3W7N5Wdgk

— kinoppyd (@GhostBrain) November 6, 2025

RubyKaigiとかで全国を回るとき、行ったことの無い都道府県では地元のスーパーとかを巡るのが好きなんだけど、島根というか松江にはスーパーが全然無くてビックリした。なんかちょっと離れたところにデカいイオンの看板が見えるだけ。みんなどうやって生活してるんだ? と思った。周囲の人に聞いてみると「車社会だから」という風な返事を皆していて、なるほどこういう街で免許を返納すると大変なことになるんだなと思った。

RWC

聞いていた噂に違わず、確かに他のRuby系のイベントはだいぶ雰囲気が違うなぁと思った。ただべつにそれが悪いというわけではなく、こういうイベントもいいなという意味で雰囲気が違った。まず行政の長が開会式に出てくる。ビックリする。前列の関係者席も初日の最初の時間はみんなスーツ。ビックリする。一日目の午後からはスーツの人の姿はあんまり見なくなったけど、まあでも相変わらずちゃんとした空気はある。

RWCはそれ単体だけではなく、Ruby Biz グランプリやRuby Prize などの表彰や、Ruby Weekのような概念的なイベントも同時に開催される、ある意味Ruby関連のお祭りだった。RWCの会期中だけではなく、その前後にもたくさんイベントがあり、松江がRubyで盛り上がるイベントであることがよくわかる。ちなみにBizグランプリもPrizeも自分は予想を外したのでなるほどという感じだ。

うお、の場所 #rubyworld pic.twitter.com/NtxxclEQlb

— kinoppyd (@GhostBrain) November 6, 2025

協賛ブースにも、他のイベントではあまり見ないというか、地元の企業系の協賛が多くてすごく良いなと思った。ただ今年はそもそも協賛が少なかったらしくて、イベントのクオリティを下げてお送りしていますと実行委員会側も説明していたので、来年はもっと盛り上がってくれることを願っている。

今日イチおもしろい #rubyworld

— kinoppyd (@GhostBrain) November 7, 2025

カンファレンスそのものというか登壇してる人たちは、割とまぁいつものメンバーだなぁと言う人も多いけど、その一方で、普段あまり見ないような企業から出している人もちらほら見られた。中にはRubyを使った話だけではなくて、ビジネス(のロジック)の話とかも結構していて、この辺が普段のイベントとは少し違う特色だなぁと思った。あと、なぜか、PicoRubyWorld Conferenceだと主張してる人たちもいて、いいねとなる。ただよくよく考えたら、自分もその一味側ではあった。Lチカは情操教育。RWCは、Rubyの話であり、Rubyを使ったビジネスの話でもあるので、珍しくRubyそのものの話とRailsやその他のRuby周辺界隈の話が同居できる面白い場だなと感じた。

Rubyの話……? #rubyworld

— kinoppyd (@GhostBrain) November 6, 2025

さかや

Day1が終わった頃、何やら不思議な話が耳に入ってくる。曰く、さかやに行けと。さかや? 酒屋のことだろうか? なんで? と思いながらも何のことなのかよく分からず町を歩いていると、えもりさんに遭遇した。曰く、さかやに行くらしい。へー、有名なんですね、どんな酒屋なんですか? と聞いてもイマイチ要領を得ないので、とりあえずついて行って見てみようと思った。えもりさんもちらっと寄るだけですと言っていたので、買い物なんだろうかとかのんきに思っていた。

さかやの正体は、「佐香や」という名の居酒屋だった。どうやら有名なお店らしいが、酒匠のいる日本で一番熱燗が美味しいという触れ込みは松田さんが流布したもので、それを聞いたRubyistが大挙して押し寄せるという非常に治安がアレな場所だった。佐香やに着いた瞬間、あこれは終わったわと思った。詰め込まれている、Rubyistが。というか、入りきらなくて路上に押し出されて路上で飲んでいる。これは大変治安がよくない。そんなところに捕まったらそれはもう終わるに決まっている。僕は終わった。でも翌日が登壇の日だったので強い意志で絡みつく酒の誘惑を振り切って、夜中の0時に宿へと逃げ帰った。

さかやがなんなのか理解できました #rubyworld

— kinoppyd (@GhostBrain) November 6, 2025

私は翌日も佐香やにいた。はすみさんがノドグロ食うなら来いと言っていたし、森塚さんも誘ってくれた。行かない理由は無かった。完全に優勝した。ノドグロを堪能し、酒をたらふくかっくらい、なんか増田の話とかをしながら、打てる分だけの舌鼓を打ちまくった。実のところ、自分は熱燗の酒はそんなに好きじゃない。なんかこう、むわっとしたアルコールの蒸気が苦手だからだ。なので、僕はブチ切れるモリスさんとジョーカーさんを脇目に冷酒を注文した。比較したい気持ちもあった。不思議なことに、熱燗にした方が美味しかった。松田さんは正しかったのだ。これはどういうことだ?

なんかパッケージマネージャーがどうの増田がどうのでクソデカ羅生門という記憶しかない

— kinoppyd (@GhostBrain) November 8, 2025

店主さんともカンター越しに何度か言葉を交わしたが、気さくで素敵な人だった。この人が謎の酒飲み団体に2日間、いや前日も含め3日間店を占拠され、挙げ句の果てに関係者としてRWCに連れてこられている様子を見て、Rubyistはなんて治安が悪いんだと思い、不憫に感じた。来年の12月にもまた、僕はあの佐香やで大騒ぎをしながら酒を飲み料理に舌鼓をうち、俺が、俺自身が治安なんだ、という気持ちになりたいと、そう決心した。